天砕き、荒れ狂うは雷の王(前編)


あー...ええ、まあ。



はい、大丈夫でした。
攻撃のほとんどは防ぐか躱せましたから。


ベルだけは、1回倒れちゃったけど。



...嫌な事件だったね。



オイ。



報告は済んだが、これからどうする?



オッサンは宿に行って休みたいね。
氷竜との戦いでヘトヘトだぜ。


そうですね、一旦宿で夜まで休んで...
ここにみんなで食事に来ませんか?


そうだな、そうしようか。


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ん?



手紙の依頼?



前に翼人の子供から出したアレかな?
たしか宝物庫から宝を運ぶ手伝いをしたんだっけ。


ええ、その時に運んだ書物から第六階層の探索が始まったのですよね。



どうやらまたそんな手紙が置いてあったみてえだな。
俺らを20F《翼の聖地》で待つってよ。


ふーん...
今度は何の用だろう?


さてね。
厄介な依頼じゃなきゃいいんだが...


...。


ひゃあ!?



外!?



!!


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


マリオン様!



何があった!?



ええ!? 街が襲撃って...



咆哮と、雷だあ?
オイオイえらい騒ぎじゃねえか。


何か手伝おう。



原因の究明...



マリオン様は今受けている依頼を優先して問題ないと仰いました。
本当にそれで良いのでしょうか?


といっても、街を襲った魔物の情報が少なすぎるしなあ...



イヤ待て、街を襲った時の咆哮と雷、
そして金色の影が目撃されてるらしいぞ?


雷と金色か。
...。


とりあえず、20Fに行ってみる?



そうだな。
とても偶然とは思えない。

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クランヴァリネ...
金色の竜のことですよね。


ああ、ある。
ついさっき街にも現れた。


えっ!?



ああ。
依頼はそのことについてなのか?


どうやら金竜が街に向かったから、それを話したかったらしいな。
警告にはチト遅かったがよ。


あー...



でも、それが本題じゃないっぽい?





何だと?



おれたちが、金竜と...!?



街をやられた借りならある。



伝承。



『雷鳴と共に現る者は雷鳴の座に座し、時の節に荒ぶる』
...そして今が丁度、その時の節かい。


だからあちこちで被害が出ているのですね。



伝承がホントなら、金竜の暴走はしばらく止まらない。
だけどクロエたちがそれを良しとしないなら。


それを虚実に出来る、か...



借りを返しに行こう。



やっぱり!?



やれやれ、氷竜の次は金竜退治かよ。
忙しいねえ...


ですが、借りたものを返すのは道理です。
雷鳴と共に現る者の元へ向かいましょう!


それで、金竜の居所は?



キレイ...
この本、装丁が金色に光ってる。


これがあれば金竜の根城に辿りつけるんだな。
了解した。

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